谷川 健一 著
日本、琉球、中国、朝鮮の海を回路とする人と物の交流を追い、さまざまな「道」を多方面から追及して、沖縄、奄美と日本をめぐる新しい「海上の道」を描く壮大な海の叙事詩『甦る海上の道・日本と琉球』。さらに、谷川民俗学のキーワードである「渚」によせる著者の特別な想い、現世と他界の境界を揺曳する民俗を読む。
太平洋戦争下、沖縄戦で日本軍はどう行動したか。沖縄の庶民が重い口をひらいた2作品もあわせて収録。

【 内容 】
甦る海上の道・日本と琉球
渚の思想
太陽の洞窟―琉球の宇宙観 あかるい冥府―琉球の他界観 南島へのまなざし 古代日本と琉球 久高島の周辺 海の来訪神―南島を中心に 西から東へ―『古事記』と琉球 沖縄の日本兵 証言の意味するもの 日宋貿易と日琉交易 東アジアのなかの沖縄

<著者紹介>
谷川健一(たにがわ けんいち)
1921年、熊本県水俣市生まれ。東京大学文学部卒業。 『風土記日本』『日本残酷物語』、雑誌「太陽」の初代編集長を経て、文筆活動に入る。『南東文学発生論』で芸術選奨文部大臣賞・第2回南方熊楠賞受賞。『海霊・水の女』で短歌研究賞受賞。1981年以来、日本地名研究所所長として現在に至る。文化功労者。2013年、逝去。

谷川健一全集 第7巻 沖縄三
甦る海上の道・日本と琉球 渚の思想 他

定価:7,150円(本体6500円+税)

 

2012年6月9日
ISBN978-4-905194-39-2 C0339