滝澤公子 室伏きみ子・編著
本書は、2006年から東京神田神保町の「サロンド冨山房 フォリオ」で開催しております、サイエンスカフェの記録です。
2011年3月11日の東日本大震災後、当サイエンスカフェにて放射線のことや原発事故について解説、お話してくださった方々の回を集めた1冊。放射線の健康への影響や、地震が起こる仕組みについて、正しく理解し、正しく判断するための手引書。科学者が一般の人と共に考え、共に学び、ありのままを話し、伝えたサイエンスカフェの記録。

<内容紹介>
「南海トラフ巨大地震への備え」金田義行
胸に迫る不安を感じながら、見せていただいたシミュレーション。このサイエンスカフェの21日後に東日本大震災が発生し、シミュレーションとそっくりな光景に、息をのんだ参加者も多かったのではないでしょうか。本書刊行の折に、震災を振り返って新たに執筆くださった考察も収録。

「東京電力福島第一原発事故と現状① 放射線・放射能とは? その影響は?」柴田徳思氏
当サイエンスカフェでは常連の柴田さん。放射線の知識の普及のために、どこへでも出かけていかれます。今回も震災後すぐに皆様にお話しするため、いらしてくださいました。

「東京電力福島第一原発事故と現状② 福島第一原発事故をひもとく」二ノ方 壽氏
一時期、福島第一原発にも勤務されたことがあるという二ノ方さん。「皆さんにお話することは私の責務」と、かみ砕いてお話をしてくださいました。

「放射線の生体影響について」島田義也氏
子どもに対する放射線の影響を研究する島田さんは、何を心配する必要があって、何を心配する必要がないか、解説してくださいました。

「私の放射線影響研究と低線量問題」松原純子氏
女性として「いのちのリスク」の研究に挑んできた松原さんが、放射線の低線量被ばくについて、ゆるがぬ信念のもとに進めてきた研究をお話しくださいました。

「東日本大震災と原発事故に学ぶ ―工学の社会的使命の原点を考える」柘植綾夫氏
技術研究や教育など、多方面から工学の世界を率いてきた柘植さん。工学が社会において果たすべき役割について、参加者と話し合いました。

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<編著者紹介>
滝澤 公子(たきざわ きみこ)

お茶の水女子大学大学院非常勤講師。歯学博士。日本遺伝カウンセリング学会評議員、NPO法人遺伝カウンセリング・ジャパン理事、人間情報学会理事。社会の科学リテラシー向上をめざすアウトリーチ活動や遺伝リテラシー啓発教材の開発研究などに携わっている。著書・編著に『遺伝カウンセラーその役割と資格取得に向けて』(真興交易医書出版部)、『人類遺伝学用語事典』『遺伝カウンセラーのための臨床遺伝学講義ノート』(オーム社)、『サイエンスカフェにようこそ!1〜3』(冨山房インターナショナル)ほか多数。

室伏 きみ子(むろふし きみこ)
お茶の水女子大学名誉教授。医学博士。
NPO法人お茶の水学術事業会理事、NPO法人遺伝カウンセリング・ジャパン副理事長、人間情報学会会長など。文部科学省、経済産業省などの審議会委員を務める。専門は細胞生物学・生化学。細胞の増殖や分化がどのように調節されているのか、細胞や生物個体がストレスに対してどのように身を守るのかなどを研究している。著書に『図説生命科学』『ストレスの生物学』『やさしい細胞の科学』(オーム社)、『バイオサイエンス事典』(朝倉書店)、『生物みなきょうだい』『こぐま園のプッチー』(冨山房インターナショナル)『科学を文化に』『今、なぜ、若者の理科離れか』(日本学術協力財団)ほか多数。

 

サイエンスカフェにようこそ!科学と社会が出会う場所
―地震・津波・原発事故・放射線

定価:1,980円(本体1800円+税)

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2012年3月11日
ISBN978-4-905194-35-4 C0040