杉山 二郎 著
永井荷風、森鷗外、木下杢太郎らの京都見聞録、 黒田清輝が描いた京都、 江戸時代の文人・頼山陽が「山紫水明」の地と呼び、 多くの文人が愛した、京都の魅力に迫る。

東の隅田川と西の加茂川、吉原と島原、社寺仏閣からトイレ事情まで比較。 嵐山の花見をうたう漢詩の源を求めて、 遠く中国まで想像の羽を広げるかと思えば、 キリシタンが見た祇園祭や信長時代の京都の南蛮寺にまで話題が及ぶ。

よそ者ながら祇園祭に町衆として参加し、 豪華絢爛な山鉾のルーツを探る一篇は、 さながら探偵小説を読んでいるようなおもしろさ!

東京・京都を行き来する生活を送っていた頃の貴重な体験を、 古今東西の文学・歴史に親しんだ知識をもとに、軽妙な語り口でつづった、 ひとあじ違う京都の話。

<著者紹介>
杉山二郎(すぎやま じろう)
1928年、東京生まれ。東京大学文学部美術史学科卒業。専門は仏教美術。東京国立博物館東洋考古室長、長岡技術科学大学、仏教大学、国際仏教学大学院大学の教授を歴任。『大仏建立』(学生社)で1969年度毎日出版文化賞受賞。他に『鑑真』『正倉院』『オリエント考古美術誌』『真贋往来』『オリエントへの情熱』など、共著に『薬師寺 白鳳伽藍の謎を解く』『縄文 謎の扉を開く』など。

 


 

山紫水明綺譚 京洛の文学散歩

定価:2,640円(本体2400円+税)

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2010年7月23日
ISBN978-4-902385-93-9 C0095