<シロウオからクジラまで、日本の沿岸で営まれてきた漁業の歴史と民俗>

海と魚と漁師と共に暮らしながら、陸という枠組みに限ることなく、海上にも人々の生活の歴史があることを見直します。この世界には、生きるに値しない生物などはなく、そのことを一番よく知っている漁師たちから多くのことを学んだ報告でもあります。


【目次】

第一章 漁師が語る海  スズキ釣りは辛抱釣り/海の花咲かせるメバル釣り

第二章 漁師が書く海  飛島の「山帳」における書承/村上清太郎翁の漁業記録

第三章 汽水域と沿岸漁   湾史における汽水域/シロウオ漁の生活誌

第四章 沿岸のクジラ捕り  沿岸小型捕鯨の民俗/追尾士の捕鯨記録/三陸沿岸の海獣漁

第五章 日本の沿岸広域漁業  追込み漁の自然観/ケンケン漁の始まりと伝播


<著者紹介>

川島秀一(かわしま しゅういち)
1952年生まれ。宮城県気仙沼市出身。法政大学社会学部卒業。博士(文学)。東北大学附属図書館、気仙沼市史編纂室、リアス・アーク美術館、神奈川大学特任教授、東北大学災害科学国際研究所教授などを歴任。日本民俗学会会長。 著書に、『ザシキワラシの見えるとき』『憑霊の民俗』(以上三弥井書店)、『漁撈伝承』『カツオ漁』『追込漁』(以上法政大学出版局)、『津波のまちに生きて』『安さんのカツオ漁』『海と生きる作法』『春を待つ海』(以上冨山房インターナショナル)、編著に山口弥一郎『津波と村』(三弥井書店)、『渋沢敬三 小さな民へのまなざし』(アーツアンドクラフツ)などがある。