A.ロバート・リー 著
原 公章/野呂 有子 訳
様々な人種が同じ国で生活をし、同じ国民であるとされながら、人種差別が根強く、その影響で多くの文学作品は、歴史とともに埋もれてきました。それでもそれぞれの人種が各々の概念を持ち、 独自の作品を創り続けていました。疎外されてきた文学作品に焦点を当てることで、見えてきたのは、メジャーもマイナーも関係ない、独自のアメリカの姿でした。
オバマ大統領の誕生によって、 今まで見えてこなかったアメリカの、一種独特な姿が浮かび上がってきました。それよりも先に出版されていた、文学作品を通して、アメリカという国のおもしろさ、豊かさを教えてくれる、文化百科辞典のような一冊です。
本書は、Multicultural American Literature : Comparative Black, Native, Latino/a, Asian American Fictionsの翻訳書です。前掲書は、アメリカで最も定評のある賞のひとつ、アメリカン・ブック・アウォード受賞作(2004年)です。
<著者紹介>
A.ロバート・リー(A.Robert Lee)
 ロンドン大学ユニヴァーシテイ・カレッジ,同大学大学院修了。文学博士。ケント大学を経て,現在,日本大学文理学部教授。主な著書に,『Design of Blackness: Mappings in the Literature and Culture of Afro-America 』(1998) ,『Japan Textures Sight and World』(2007),『Gothic to Multicultural American Literature』(2009) ,『Modern American Counter Writing : Beats, Outriders, Ethnics』(2010)など多数。
原 公章(はら きみたか)

 日本大学大学院文学研究科英文学専攻博士課程満期退学。聖徳学園短期大学,帝京大学を経て,現在,日本大学理学部教授。主な著書に,『イギリス小説の探究』(監修,大阪教育図書),『新編英和活用大辞典』(共編著,研究社),『ジョージ・エリオットの時空』(共著,英宝社)など。訳書に,『女性たちのイギリス小説』(共訳,南雲堂),『ジョージ・エリオット 評論と書評』(共訳,彩流社)など。

野呂 有子(のろ ゆうこ)
 東京教育大学(現:筑波大学)大学院文学研究科修士課程英文学修了。東京成徳大学を経て,現在,日本大学文理学部教授。主な著書に,『摂理をしるべとして―ミルトン研究会記念論文集』(共編著,リーベル出版),『フランケンシュタイン』(共著,ミネルヴァ書房)など。訳書に,『古代悪魔学―サタンと闘争神話』(監訳,法政大学出版局),『シャーロック・ホームズとお食事を』(監修・監訳,東京堂出版)など。
●2010.12.19 産経新聞『読書』で紹介されました。

多文化アメリカ文学
黒人・先住・ラティーノ/ナ・アジア系アメリカのフィクションを比較する

定価:3,630円(本体3300円+税)

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2010年11月5日
ISBN978-4-902385-97-7 C3098