内野三悳
本書は、 昭和26年に刊行された『芭蕉絵物語』の復刻です。 ふり仮名を多くし、 芭蕉研究の第一人者、森川昭氏の序文を収録しました。 旅を人生の友とした松尾芭蕉の生い立ちから、 亡くなるまでの生涯を、 素朴な絵とともにつづられています。名句が70あまり紹介されていますが、 どんな場面で生まれたのか、読者は納得できます。 作者は、外科医ですが、芸術や文学に造詣が深く、山本周五郎との交流もあり、 『赤ひげ診療譚』のモデルになった人物でもあります。 作者の人柄を彷彿させるやわらかな語り口は、 子どもから年配の方まで幅広く、読んでいただけます。

私は、うちの子どもたちに時々芭蕉の話をします。 話はその時々の断片です。これを本にしておいたら、 彼らは、自分の年相応、頭相応に読むだろうと考えました。 私は日本の子どもが、そのように芭蕉を読んでいって大人 になることが望ましいと思っています。「まえがき」より

<著者紹介>
内野 三悳(うちの さんとく)本名:内野正幸。
1899年、神奈川県生まれ。 東京医学専門学校卒。1935年、荏原郡戸越村に病院開設(外科・産婦人科)。
1945年、戦災で病院焼失。翌年、品川区中延に再建。医師のかたわら、文筆をとる。第一美術協会会員。
1981年、2月5日没。
主な著書『俳筆 中津川』(書物展望社)『産婦人科臨床余録』(本田書店)
句集『妻隠』『麻の葉』『無花果の旅』(慶友社)

 

新版 芭蕉絵物語

定価:1,650円(本体1500円+税)

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2009年12月6日
ISBN978-4-902385-82-3 C0092