谷川 健一 著
古代の英雄ヤマトタケルの物語の背後にある金属精錬集団の悲劇。 銅鐸の謎。目ひとつの神・・・
柳田国男の稲作一元論に金属文化論を対置し、 民俗と金属文化との関わりという新たな視点から民俗学を解明する意欲作「青銅の神の足跡」お伽噺に登場する英雄や鬼神にも、ただ一ヵ所だけ弱点があった。鉄人たちの悲哀を綴った「鍛冶屋の母」2作品を収録しました。

【 内容 】
青銅の神の足跡
序説 耳と目の結婚
第一部 青銅の神々=銅を吹く人 目ひとつの神の衰落 最後のヤマトタケル 天日槍の渡来
第二部 古代社会の原像をもとめて=垂仁帝の皇子たち 青の一族 海人族の系譜 江南とのつながりと銅鐸 遥かな過去への遡行鍛冶屋の母
第一部 鍛冶屋の母=弥三郎婆 伊吹の弥三郎 酒呑童子 平将門 弁慶 戸隠の鬼女
第二部 銅と鉄の旅=風を待つ人びと 千種の谷で 壬申の乱の一考察 鍛冶神の南下

<著者紹介>
谷川健一(たにがわ けんいち)

1921年、熊本県水俣市生まれ。東京大学文学部卒業。 『風土記日本』『日本残酷物語』、雑誌「太陽」の初代編集長を経て、文筆活動に入る。『南東文学発生論』で芸術選奨文部大臣賞・第2回南方熊楠賞受賞。『海霊・水の女』で短歌研究賞受賞。1981年以来、日本地名研究所所長として現在に至る。文化功労者。2013年、逝去。


谷川健一全集 第9巻 民俗一

青銅の神の足跡 鍛冶屋の母

定価:7,150円(本体6500円+税)

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2007年4月28日
ISBN978-4-902385-40-3 C0339