谷川 健一 著
青く輝く海に囲まれた琉球の島々。 ここでの鉄器の使用は、本土より遅れること優に1000年をこえる。 鉄器も文字暦もなく、仏教の影響を蒙ることもなく、 琉球弧の世界では言葉の呪力に対する古来の信仰が近年まで残っていた。 祭りの場で女は、神の言葉を伝えるのではなく自らが神になる。 呪言と古謡が息づく深い闇の世界に光をあてた画期的な文学発生論。

芸術選奨文部大臣賞・南方熊楠賞受賞作

【 内容 】
「言問ふ」世界  呪言の威力  「畏きもの」への対応  神託の本源 ノロの呪力  現つ神と託女  日光感精神話とユタの呪詞 宇宙詩としての呪詞   叙事詩の説話性  冥府からの召還 挽歌の定型  挽歌から相聞歌へ  村の創世神話  神話と伝説の間 祖神のニーリ  宮古島の「英雄時代」  「まれびと論」の破綻 諺の本縁譚  神意をヨム言葉  海神祭の由来  太陽が穴 青の島とあろう島  盞歌と盞結  アマミキョの南下  鍛冶神の死

<著者紹介>
谷川健一(たにがわ けんいち)

1921年、熊本県水俣市生まれ。東京大学文学部卒業。 『風土記日本』『日本残酷物語』、雑誌「太陽」の初代編集長を経て、文筆活動に入る。『南東文学発生論』で芸術選奨文部大臣賞・第2回南方熊楠賞受賞。『海霊・水の女』で短歌研究賞受賞。1981年以来、日本地名研究所所長として現在に至る。文化功労者。2013年、逝去。


谷川健一全集 第5巻 沖縄一

南島文学発生論

定価:7,150円(本体6500円+税)

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2006年10月23日
ISBN978-4-902385-30-4 C0339