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第35回
11月20日(金) 18:30〜20:30


「DNA抽出実験 その2


ゲスト:
お茶の水大学教授 室伏きみ子教授

今回は「DNA抽出実験 その2」。お茶の水女子大学・室伏きみ子教授の研究室より、滝澤公子さん、森富子さん、野崎絵美さんが来てくださった。


まずは室伏さんからDNAの基礎知識について、お話していただいた。最近ではテレビなどでよく聞こえてくるが、そもそもDNAとは、デオキシリボ核酸といい、遺伝子の本体となる物質だそうだ。その遺伝子は、体の設計図であるから、注目の的になるのもわかる。
その構造や働きなどについては、ずいぶん長く研究を続けられていて、多くの事象が解明されてきたが、まだまだわからないことの方が多いそうだ。


今回は参加者の皆様のDNAと、身近な食材(鶏ささみ、バナナ、玉ねぎ)のDNAを抽出してみよう、という実験を行った。

実験をしてくださった3人の方々(左から滝澤さん、野崎さん、森さん)。野崎さんはまだ4年生なのだとか。さすがに白衣がよく似合う。

今回使う実験器具。見慣れないものが多い。

まずは自分のDNAを抽出。頬の裏側をよくかんだ後、くちに水を含み、紙コップに吐き出す。それをふた付き試験管に入れ、細胞溶解用バッファーを静かに加える。ふたをしたら、試験管を静かに逆さにしながら、かき混ぜる。ここでタンパク質分解酵素を加える。

混ぜた試験管を50℃のお湯に浸け、15分間待つ。
待っている間、森さんがDNAの構造について、模型を見ながら、説明してくださった。
DNAは二重らせん構造になっており、アデニンはチミンと、グアニンはシトシンとそれぞれ対になって、間を水素結合でつないでいる。この構造は、生物は皆同じなのだそうだ。

本日見られるDNAは、この二重らせんのDNAがたくさん寄り集まって、視覚化するのだとか。皆様見られるだろうか・・・。

15分 経ったので、お湯から取り出す。試験管には名前が書いてあるが、間違えないよう、確認しながら、各自取り出す。

取り出した試験管を45度傾けて、冷やしたエタノールを、試験管の壁を伝わらせるように、ピペットでゆっくりと注ぐ。

傾けたまま、できるだけゆっくり回していくと、少しずつ少しずつDNAが抽出されてくる。まるでわたあめのように、細く白い糸がだんだんと固まって、見えるようになってくる。

あちらこちらで歓声があがる。たくさん出てくる人、初めて見た人、参加者が多かった今回の実験では、様々な感想が飛び交っていた。

 

DNAが濃く見られた参加者の方の試験管を撮影させてもらった。アルコール層(上の層)に、ぼんやりと煙のように、DNAが析出していた。

抽出されたDNAは、ピペットを使ってアルコールと一緒に充填用ケースに入れ、皆様お持ち帰りいただいた。
さて、ご家庭ではどのような話をされたのだろうか。

 


今回のデザートは、DNAにちなんで、D=ドーナツ、N=生クリーム、A=あんこ or あんず のケーキでした。あんこかあんずか、お好きなほうをお選びいただきました。

#サイエンスカフェ

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