未来のコミュニティや集団はどうあるべきか?!
シベリア出兵、コメ騒動、スペイン風邪上陸。百年前、国の内外が騒然とするなかで、武者小路実篤の「新しき村」は誕生した。今日の渦巻く政治不信、戦争の脅威、新型コロナウイルスの世界的蔓延は、その再来だ。いまこそ、「新しき村」はその底力を発揮しなくてはならない。村の再生に取り組むなかで、その先鋭的思想を掘りおこし、未来のユートピア共同体を構想する実践的〈思耕〉の書。

 


 

<目次>
はじめに
Ⅰ 「新しき村」百年目の彷徨
Ⅱ しのび寄る破局
Ⅲ 変貌する首都圏
Ⅳ ローカルに考え、グローバルに行動する
Ⅴ 自他共生・人類共生の場を求めて
Ⅵ 公共世界の創出
Ⅶ 起死回生
Ⅷ 自立と共生をデザインする
Ⅸ 二十一世紀のユートピア共同体
巻末対話 新生・新しき村の独自性と現代性
あとがき

 


<著者紹介>
前田速夫 (まえだ・はやお)
民俗研究者。1944年生まれ。東京大学文学部英米文学科卒。68年新潮社入社。95年から2003年まで文芸誌『新潮」編集長を務め、谷川健一と親交を深める。87年より白山信仰などの研究を目的に「白山の会」を結成。主な著書に、『異界歴程』『白の民俗学へ』『「新しき村」の百年』など多数。『余多歩き 菊池山哉の人と学問』で読売文学賞受賞。


2023.2.25「毎日新聞」
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