サロン ド 冨山房 - Folio

08年11月21日(金)第25回サイエンスカフェを開催いたしました。

第25回 11月21日(金) 18:30〜20:30
「ソフトウェアを科学する」
武市正人氏(東京大学 情報理工学系研究科教授)

今回のサイエンス・カフェは東京大学教授・武市正人氏による、「ソフトウェアを科学する」というテーマの、今までとは一味違う、数学の分野からのお話だ。
最近では、コンピュータは一家に1台必ずあるといって良い存在だが、いったいいつから使われてきたのだろうか。1940年代にプログラム内蔵の「自動機械」として実現し、1949年に世界で初めてのコンピュータが誕生した。当時、そのコンピュータは「フォンノイマン型」と呼ばれ、現在のコンピュータのほとんどがこの型である。しかし、コンピュータだけでは本来の機能を発揮することはできず、その中にプログラムが入ることで、初めて機能する。その処理を実現するプログラム群のことを、「ソフトウェア」と呼ぶ。
コンピュータではさまざまな処理を実現することができる。そのために必要なソフトウェアの「質」の指標は、いかに「正しく」「速く」「使いやすく」動くか、である。では、ソフトウェアは科学の対象となりうるのか。数学が科学であるなら、ソフトウェアもまた科学であると考えられる。数学は物事の枠組を計算することによって、いろいろな解を導きだすことで科学として成り立っている。それならば、計算そのものを対象としているソフトウェアも科学として成り立ちうるはずである。どういう科学かというと、いかに速く正確に計算できるか、もっと手間を省くためにはどう計算したら良いかということを考える、いわば「計算の科学」である。計算科学は計算の新たな方法論を提示し、“科学を支える科学”なのである。
計算科学では新しい計算方法を提示するために、計算の手間をより省くためには、どのような方法で計算すればよいかを考える。つまり、ただ単純に計算をしていくと、処理を終えるまでに費やす時間が、1017世紀という途方もない時間がかかってしまう計算も実在しているのである。その所要時間を短くするための計算方法を考えるわけだ。例えば2桁のかけ算は、単純に計算すると4回かけ算を行うことになるが、log23という公式に当てはめて計算すると、3回ですむ。桁を増やしていくと、16桁のかけ算をした場合、ふつうは1024回だが、この公式だと243回ですんでしまうのである。大幅に手間が省かれたわけである。
手間だけではなく、計算パターンに着目した場合もある。ランダムな数字を羅列した一列があったとして、そのうち隣り合うn個の数字を加算した場合、どこの部分の和が最大値となるか、という問題があったとする。そうした場合、ふつうはひとつずつ計算し、答えを導きだすわけだが、それでは時間がかかってしまう(n3に比例する計算量)。しかし、あるプログラムにのせると、nに比例する計算量で問題が解けてしまう。
一般人には難解であるこうした計算式やプログラムを使うことによって、コンピュータが速く動いているのだ。また、速いだけでなく、正しく計算をするソフトウェアがなければ成り立たない。コンピュータによって便利な時代が実現しているということは、一般人では理解できないような数式を、日夜努力し、数式を解いたり、より速く正しく計算できるよう考えたり、研究したりしている人がいるということだ。誰よりも速く、便利なプログラムを作り出そうとしている武市氏は、計算の美しさに魅せられた、美の追求者のようだった。






今回のデザートは、ウェブ言語のひとつ
「HTML」と、BLTサンドからヒントを得て、
「HTMLサンド」をご用意しました。
ハム(H)、トマト(T)、 明太子(M)、レタス(L)、
パンはライ麦パンです。 なかなか
食べ応えのあるサンドウィッチでしたよ。



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